あ、タイトルは別に変な差別とかではないですから。*1
ギリギリのブラックジョークでスマソ。


最近映画づいてるなー。
今日も水曜日でラッキー☆
以外と男子も多いな。場所柄?*2
映画館に着くのが遅過ぎて『立見です』だって。でも、マクベスでも立見席あるかもしれないし
これは練習、練習と言い聞かせ中に入りました。
そしたら、座布団が用意してあって通路に座る事ができました。*3


私もアカデミー賞どうなのよ?っと正直斜に構えて見てました。
ストレート男子には興味すら沸かない作品でしょう。
でも、観終わった今は沢山の人に観て欲しいなという気持ちです。
単にカウボーイのゲイのお話で終わらせて欲しくないな。



座布団席からだと字幕が見づらいんだけど、ま、英語だからなんとかなると思ってたら
すごいナマっててしんどかった。
でも、慣れてきたらそのつっけんどんな喋り方とか、田舎っぽさとかそれも
全部胸に迫ってきました。


なんかじわじわくる作品なんです。
最初はね、正直ちょっと退屈感もありました。
風景はリバーランズ・スルー・イットみたいに綺麗でズルイなーなんて思ったり。


ずっと若い頃のお話かなーと思っていたら、
同じパートナーとの20年越しのストーリーでした。
一人は貧しく、一人はリッチに立場が変わり、
お互いに家庭を持って、子供もいる。
1960年代、しかも保守的な南西部で職業はカウボーイ。
悲しい結末になりそうなのは分かっていました。


ラスト20分位は泣きっぱなしでした。
やっと大好きだって気付いた時には彼はもう居ない。悲し過ぎた。
家族を傷つけて、相手も自分も傷つけて。
二人がどうにか幸せになる方法はあの時代、あの場所では有り得なかったのかな。
最後の血のついたのシャツをイニスがギュっとする場面には泣けた。
ジャックにとってはあのブロークバックマウンテンでも思い出は大事な大事な
宝物だったのね。それはイニスにとってもそうであったように。


この作品が評価されたのはやっぱりゲイパワーがあるアメリカと言えども、
まだまだ同性愛に対しては明らかな差別があって。
特に南部の人なんて、そんな話題になったら露骨にイヤな顔や態度を取る人もいっぱい。
実際、ヘイトクライム*4もまだまだ沢山ありますし、偏見し耐えられず自殺する人も多いと聞きます。
人が人を愛する事には変わらないのになー。


性的マイノリティーと言われる人に居場所がない世の中ってなぁ…と理解をみせつつも、
一方でもしダンナがそうだったらどうしようと、普通じゃいられないなーと思う自分が居ます。
二人の奥さんが丁寧に描かれていたのも良かった。


それから、長女とお父さんの描き方も良かった。
長女の結婚式に行くよというシーン、好きです。
長女は分かっていたのかな。


音楽も良かったなー。ラストで流れるアコースティクギターの
『He was a friend of mine』で引いた涙がまた出た。
アカデミー賞オリジナル音楽賞受賞、分かる。
ラストの音楽を聞かないで席を立っちゃう人が勿体ない。


アメリカ西部色一色のこういう作品をアジア系の監督が撮るっていうのもアメリカという国
の大きさを感じさせますね。色々と問題の多い国だけど、キャパもデカイ。


そうそう、この作品、中国で上映禁止なんですよね。
勿体無いな。うーん、実に勿体無い。
そういう国でオリンピックやるのが心配になってくるよ。

*1:ゲイ、ニューハーフのお友達多いです

*2:新宿

*3:練習にならない…

*4:人種やゲイに対する差別的犯罪、最も卑怯とされる