全ての人間の中にカリギュラは居る
3日と空けずに再びBunkamuraです。
なんかもう足が向くって感じ。
当日券待ちのお伴は文庫本カリギュラとカイロ。
本当は英語じゃなくてこっちが専門だったはずなんだよねぇ。
大学生時代は難しい事タバコ吸いながら、考えてたかったわけよ(笑)
わかんないのにゴダールとか見てアンニュイだったわけ(恥)
全てカタチから入るところは変わっておりませんな。アハハ。
今これ売ったら高く売れそうだよね。
超黄ばんでるけど。
前回よりも早く来ましたが、それでもやっぱり2Fの立ち見。
前回とは逆の上手側。
スプレーで鏡を消したあと『カリギュラだ』って言うその時の顔が見たさにこちら側選ばせて頂きました。
あとシピオンの顔が良く見えるのもこっち側だから。
それでもかなり見切れるのは事実。
みんな気持ちは分かるが、前のめりは止めましょうよ。
一人がやるとみんなやる。
小栗君の出番じゃないと背中戻す。
他の演者さんの演技も観ないとこのお芝居の良さ半減すると思うけどなぁ。
見切れる部分は鏡に反射する姿を観るとか、台詞を噛み締めるとか、そういうのはダメですか?
3000円で観させて貰って、文句を言うなんて野暮なんですかね。
あと携帯も。
マナーモードにしとけばいいってもんじゃあないんだよっ!
カリギュラの最後の独白なんて音が全くない世界なんだからよぉ〜
頼むで、しかし。
色々小さいフラストレーションは抱えつつも、
最後はそれを忘れる位にカリギュラの世界に連れていかれました。
今日の演技には余裕すら感じました。
とても台詞覚えに苦労したとは思えない。
まだドラマの撮影も始まってないだろうし、映画のプロモーションはひと段落だし、今一番集中してるのかも。
誇りをもって、いい意味で自信に満ちて演じているように感じました。
カラダもね〜張りがあって美しいし(あの腹斜筋たまんねー)
声もこの間よりクリアだし、強弱もはっきりしていて台詞も聞きやすかった。
なんか恐ろしいくらいだよ。どこまで成長するんだ。
跳べるかどうかギリギリのラインにハードルを設定しても、あと3cm位余裕がある感じ。
一幕十場のケレアとのやりとり。
中央の椅子にだらーんと身体をあずけて、足はガバーっと大股開いて、
『このローマ帝国広しといえども自由なのはこの俺一人さ』
この時のねー、人を小馬鹿にしきった態度がなんとも素敵…ってオカシイか。わたし。
そのシルエットと乱暴な言葉と、プラスあの目!
鏡をスプレーで消したあと1本指で鏡に向かって『カリギュラだ』という所も本当に怖くて好き。
もう完璧っ☆
今日はシピオンも良く観ようと思って来たのだけれど、
勝地君もいいですねー。いつも泣かされる。
カリギュラと詩を読んだあと、
半ば疑いながらもカリギュラの胸に抱かれて、
腰にまわした手がだんだんと強くなっていくところなんかほんと、上手いなーっと思ってしまう。
だからこそその後の『芝居をしたな』が泣けてくる。
それなのに、ケレアに誘われてもクーデターには参加できないと
心は離れられないというくだり、人間って、人間って、もうどうしてこうなの???
って胸が苦しくなる。
カリギュラとシピオンは表と裏というか、
いや、全ての人間の中にはカリギュラがいるというべきか。
だから、許せないと思いつつ惹かれてしまうのか。
ふぅ。こうやって思い出しているとまた頭の中でぐるぐると芝居が始まってしまう。
ラストの独白→破滅へ向かうまでのエネルギーのすざまじい放出。
カミュに見せてあげたい。
もっと色々書きたいけど、もう頭が痛くなってきた。
あ、今日はイケパラの「オーラが見えます」の男の子が観に来てました。
どんな感想持ったかな。
黄金のオーラが見えるよね。