×[ディアギレフ]


「SWAN」を見て、NHKの「トップランナー」を見てとってもファンになってしまった。
すごく健気で謙虚で、でも貪欲で、天才型ではなく努力型のダンサーという気がする。
お顔もシュッとしてるし。


会場でひときわすごいオーラを放っている美しい女性が。
上野水香さんでした。
9頭身ぐらいありました。きれーな長い黒髪にパッチリお人形さんみたいなお目々。
こうなると彼女のボレロ観たいよなぁ。


今回どうしても観たかったのが『牧神の午後』
これは漫画の「SWAN」で真澄がニューヨークに渡った辺りで出てくるんだけど、
すごく斬新な振付けというのが幼心にとっても気になっていて。


えぇ、斬新でした。
バレエなのにジャンプも回転もありません。
歩き方も平面風。エジプトの壁画に出てくる脚と顔は進行方向、でも身体が正面みたいな。
プログラム見ると、振りつけのニジンスキー古代ギリシャの坪の絵からこの振りの構想を得たって書いてある。なるほどね。平面的な動きに徹しているからこそ、余計立体的に見ようとしてしまう。観客も試されているような感じだなぁ。

そしてテーマも『性』だし。
ブルテリアみたいなしっぽのついている牧神が最初は可愛かったのに、ニンフによって自分の中の『性』に目覚める。ニンフの忘れた羽衣?ショール?で慰める時の最後の目も口も見開いている首藤さんの表情に釘付けでした。


2番目の『薔薇の精』はこれ、未來さんにやって欲しいと思った。
男性ダンサーが薔薇の精として踊るわけだけれど、
本日のダンサーさんはいかんせん、ちょっと男子だった。ガタイ良かった。
未來さんぐらい華奢で、中性的な感じのダンサーさんが演じたら、もっとロマンチックなフワフワした感じになりそう。振りはジャンプいっぱいなのよ。
しかし、薔薇色の全身タイツだけどね(^^ゞ


3番目の「ペトルーシュカ」、これはディアギレフ版とベジャール版比べて観たかった。
舞台も衣装も派手で可愛かった。
人間の心を持ってしまった人形の悲劇。
首藤さんの人形としてのダンス表現、手先、足先、見事に人形です。
でも表情が人間。それが凄い表現者だなって思う。
最後、絶望に打ちひしがれた人形が亡霊となって小屋からダランと身を垂らして終わる所に
ちょいと鳥肌が立ってしまいました。
お人形バレリーナ役のダンサーさんの動きもとってもコミカルで可愛いかった。衣装もグーでした。


首藤さんの舞台はクセになりそうです。