白鳥の湖


今週はバレエづいてるぞ。
11日に東京バレエ団モーリス・ベジャール追悼公演を観て、
そして今日は初のKバレエカンパニー。
週に2回上野の森に出かけてます。


2年くらい前だっだかな、銀座の松坂屋でKバレエカンパニーの衣装などの展示会を
やっていて、何気に行ってみてクマテツの踊っているDVDを見たら
その場から離れられなくなった経験があります。
それまで食わず嫌いというか、
ちょっと彼の高飛車っぽい物言いがあまり好きになれなかったんですよね。
でも、そこれ流れている彼のダンスを見て納得がいきました。
ものすごーく信念があるからなんだなって。
バレエを心から愛して、革新しようとしているんだって気づきました。
そしてそこに飾ってある衣装、舞台装置、どれを見ても海外のバレエ団と
比べても引けを取らない完璧さに驚きました。
日本で立ち上げたバレエ団がこんなに高いレベルなんだって呆然をしたのを
覚えています。
が、しかしチケット代が高い!
安くても8000円→もちろん遠い。5F席とかでだよー。
いい席だと18000円ぐらい。
そして何故かだいたい未來さんの公演と丸かぶり(笑)


いつか行こう、行こうと思っているうちに時は過ぎ
熊川さんが例のあの大怪我をしてしまい、大後悔。


この間のTVのスペシャル番組を見て、踊り始めたことを知り
もうこれは行かねばと決めた次第です。


バレエの公演を観に行くのは大抵ひとりなんだけど
普通のお芝居やライブとはやっぱり回りの雰囲気が違う。
いかにもバレエやってますって背筋のすくって伸びた、ややガニ股気味の
女の子(大抵顔も極小サイズ)やそのご父兄。
圧倒的に女子人口高いのですが、その中にもわずかにいる男性たちも
きっとおウチがいいんだろうなーって思わせる佇まい。
なのでバレエを観に行く時は預けるコートの素材もちょっと良いものをセレクト。
変な紙袋とか持たないようにしてます。極めて中流家庭育ちの精一杯の見栄です(苦笑)


あ、本筋から離れました。


観た感想?
圧倒されました。チケット高いだけのことはあります。
譲れないこだわり、貫いている美意識の高さ、ハンパないです。
バレエ界の劇団☆新感線?絶対損はないわ。
ちょっとでも興味のある人は絶対行ってみて!


クマテツ復帰待望の公演とあって、熱気もすごかったー。
バレエ公演で会場の温度があがるなんて初めてだわ。
クマテツ登場しただけで割れんばかりの拍手。
歌舞伎の花形役者みたいだよ。


見始めて気づいたんだけど、そう云えば白鳥の湖ってあまり王子は踊らないんだよねー。
途中、あ、しまった!違う公演にすれば良かったと一瞬思いましたが
王子はその表情や仕草でストーリーを伝えるって重要な役目があるのよね。
その表現力にバレエテクニックより驚いた。
白鳥の湖のストーリーを知らない人でも見ていればたぶん理解できると思う。


もちろん、バレエのテクニックも凄いです。
3幕の黒鳥とのパ・ド・ドゥは圧巻。
今日は3F席だったのですが、そこからでもはっきりと分かる跳躍力の高さ。
そして回転のスピード。
アイススケートのスピンぐらい速いんだから。マジで。
ジャンプだって、あれは床がトランポリンになってるに違いない!
上手く舞台の色に合わせてあるトランポリンなんだよー、きっと。
クマテツスポットとか作ってあってさー。
そんな疑惑をかけたくなる位。
さすが「バレエが選んだ男」です。


また白鳥もいいっ!
本日のオデット/オディールは荒井祐子さんでしたが
あんなに白鳥のはかなげ感が出せるものなのぉぉぉ?
私が小さいころに愛読していた「SWAN」で真澄が演じていた白鳥みたいだった。
群舞も見事だったなぁ。
衣装もいわゆるチュチュではなくてもっと羽のエアリー感があるものでした。
グレーの白鳥がいたのもの面白い。白鳥の子供ってこと?


衣装と言えばロットバルトの衣装も良かったわ。
蛾みたいなコート(笑)がジュディオングの『魅せられて』みたいに広がって
タイツがうすーくレオパルド柄(たぶん)
3幕のスペインの踊り子たちの衣装も私好みでお気に入り。
赤と黒の情熱的なコントラストにマイマスク!
怪傑ゾロみたい。かっこえぇ。
もちろんブラックスワンのあの回転もパッションに満ち満ちていて。
32回転は30回転位だった気がしますが6回に1回はドゥーブルでした。
ただそのテクニックの派手さだけがが目立つ黒鳥ではなく、
その後王子がその魅力に応えて踊りだす伏線になる余裕のあるブラックスワンでした。


Kバレエカンパニーのダンサーさんは、自分が自分がって
ダンサーである一個人をことさらアピールするのではなく、
うまい具合に「個」を消して役にすっぽりハマっているのが良かったです。集中できる。
それにビジュアル的にいい人多いよね。オーディションでもその辺も加味してるのかな。
プロフィールの写真の選び方からして他のバレエ団とは違う。
光の陰影、ポーズ、いい写真選んでます。美意識高いなーっと思いました。



カーテンコールは何度も。数え切れないくらい。
バレエだからもちろんマイクのご挨拶などはありませんが、
熊川さんが胸に手をあて、5Fまでビッチリのお客様に感謝しているのが
よく分かります。感無量だろうなぁ。


あぁ、クマテツの海賊アリも観たくなっちゃったよぉ。
でもな、これがまた五右衛門のシーズンなわけ。
いや、正確にいうと東京公演終わったあたりか。
7月はただでさえ聖子に五右衛門にアメリカンバレエシアターに
いっぱいいっぱいなのにぃ。
う〜ん、悩ましい。